理事長挨拶
一般社団法人 日本消化管学会
理事長 順天堂大学消化器内科 永原 章仁
2023年2月に開催された第19回日本消化管学会会期中の理事会において第6代理事長に選任されました。2004年の設立以来、伊藤誠、寺野彰、坂本長逸、藤本一眞、樋口和秀歴代理事長の下、活力みなぎる学会として大きく発展してきた本学会の継続的発展を担うことが私の努めと心得ております。
「消化管学の向上発展をはかり、人類の福祉に寄与する」という消化管学会の理念の実践が大きな課題です。胃腸科認定医・専門医は取得された先生ご自身の消化管学の向上発展に直結すると考えております。横断的・多角的に内科・外科・小児科・放射線科・救急科・病理科といったご専門の先生に是非取得して頂きたいと考えております。総会学術集会、教育講演会受講で取得できる認定医は、日常臨床での患者さんに対する胃腸科分野の知識の担保になります。専門医は、胃腸科に特化した専門性の高い医師として、最新の医療を患者さんに提供するとともに、消化管学の牽引役となります。専門医取得には指導施設での研修が必要ですが、日夜最前線の病院で消化管診療をされている多くの先生方が専門医を取得できるよう、指導連携施設を創設するなど制度の改善に努めています。
会員の地域偏在という問題の解消のため、延いては地域の患者さんに消化管学をお届けすべく、2023年に支部会を設立いたしました。全国を6ブロックに分けて、会員の先生方が各支部に所属いたします。その役割、目標は、地域の先生方に幹事として参画いただき、支部教育講演会の開催でより多くの先生方に気軽に消化管学に触れていただくこと、市民公開講座を通じて市民の方々への胃腸科疾患の啓発、消化管学会の周知を図ることです。
先生方に最新の医療をお届けすべく便通異常ガイドライン、大腸憩室症ガイドラインの作成・改訂を進め、消化管学のup to dateは日本消化管学会雑誌(ホームページからwebでご覧いただけます)、英文機関誌Digestionで触れることができます。さらに、学会主導研究制度がスタートし、消化管学会がエビデンス発信の中心になろうとしています。
学術集会では、日本潰瘍学会、日本カプセル内視鏡学会とでGI Weekが組織され、合同で学術集会を開催しています。国際学会であるIGCSも同時開催し会員の先生方が国内外の幅広い分野に触れられるよう深化しています。
同時にダイバーシティについても委員会を組織し、先生方が様々な環境、立場で消化管学の研鑽を継続できる方法も模索しています。
樋口前理事長のご助言をいただきながら、このような取り組みを通じて、理事、代議員、会員の先生方と共にあゆみ、入会して良かった!と感じていただける学会を目指します。
先生方の一層のご指導、ご支援をお願い申し上げます。